入社 その2
入社式の後、旅行バッグとともに乗り込んだバスで新入社員は山奥へ向かいます。
そう、新人研修の始まりです。
数日山奥の宿泊施設に泊まりながら行われていました。
ただでさえ人が辞めていくこの会社の最初の関門です。
まず、宿泊施設に着いてビックリ。
S社の電波が入りません。
A社もギリギリ。D社ならなんとか…。
携帯電話を売る人たちの研修場所なのに携帯電話が使えないとはなんという皮肉でしょうか。
研修の内容を載せるとさすがにまずいので省略しますが、
とにかく企業の理念やら考え方やらを徹底的に教え込まれ、
全力を出すことに挑戦したりしていました。
皆さんは全力で声を出したことはありますでしょうか?
私はこの数日の研修で1~2週間ほど声が枯れ続けました。
数日の研修を終えて帰ってきたとき、
私はスーツ姿で片足を引きずりながら旅行バッグを背負い、さながら戦場から帰ってきたような雰囲気だったようです。
駅で他のお客さんから白い目で見られたのは言うまでもありません。
次の日が土日でお休みだったので友達と会うと、
まずガラガラの声にビックリされ…、
研修で筋肉痛になったことに引かれ…、
ちょっと悲しくなりました。
噂によるとこの研修の後、辞めた人がいるとかいないとか…。
…すいません。人が多すぎていなくなったかどうか私には分かりません。
とはいえ、入社後にこの研修並みに声を出したり、全力を出すことは当然ありません。
接客業なのに声が枯れてるとか意味が分かりませんので…。
ただ、新人研修はこれで終わりではありません。
いきなり店頭に立っても、あの複雑な料金プランを説明できるはずもなく…。
そう、業界知識を身に着けるための研修が始まります。
続く